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世界の萌えキャラ Betty Boop [動画]

youtubeで動いているベティちゃんを観た時、あまりの愛らしさに身もだえしそうになりました。
クリクリ動く大きな目にアニメ声、全てがキュートで、一世紀近くも昔に、こんなに可愛いキャラクターが誕生していたなんて!
改めて30年代のアメリカンアニメは凄いと思いました。
(長いですし完全に私の趣味ですが、ご興味のある方はどうぞご覧下さい^^;;)

ベティ・ブープは、マックスとデイヴからなるフライシャー兄弟が設立したフライシャー・スタジオから誕生しました。
マックスは、映画のサイレント時代から、人物の動きを1コマ1コマ写し取るロトスコープという方法で、生身の人間の動きを正確にトレースした技法でアニメを制作。
サイレント時代の代表作、「Koko the Clown」では、人間とそっくりのリアルな動きをする道化師ココが、当時の人々にはとても奇妙に映ったそうです。

そして、トーキー時代には、ミュージカルの様にストーリーが進行するトーカートゥーン(話すtalkと、漫画cartoonの意味を合成したtalkatoon)シリーズが作られ、その中から、犬のビンボ(日本語訳でビン坊と訳された)という新キャラクターが生まれます。

ベティ・ブープの原型は、ビンボの恋人役という脇役でしたが、観客の人気に応える様に主役へと昇進し、アニメーションにおける初の女性キャラクターとなりました。
初期は耳の垂れ下がったフレンチプードルとして描かれていたベティちゃんでしたが、作品ごとに人間として進化し、今日の洗練した姿になりました。
世界的に愛されるアニメキャラクターを生み出した事においても、トーカートゥーンシリーズは大変重要な役割を果たしたと言えるでしょう。
そして、「Stopping the Show」(花形ベティ 1932)が、ベティ・ブープシリーズの正式な1号となりました。

ベティ誕生の際には、20年代末代から、♪ププピドゥのフレーズで知られた、女優で歌手のヘレン・ケインがモデルになったそうです。
あちこちの髪のカールが跳ねた個性的な風貌と声は、ベティ・ブープを生み出そうとしていた時、良いお手本となりました。

ヘレン・ケインの代表曲である「I Wanna Be Loved by You」は、ミュージカル「土曜は貴方に」でヘレンの声を吹き替えにデビー・レイノルズが、「お熱いのがお好き」でマリリン・モンロー本人が歌っています。

のちにヘレンは、彼女のトレードマークである外見や歌い方、♪ブプピドゥのフレーズを使われたかどでで、フライシャー・スタジオを訴訟しましたが、これに対し、ケイン以前にも他の芸人が♪ブプピドゥのフレーズを使っていた事が証明され、ケインは敗訴しました。

ベティの声を担当しているのは、ヘレン・ケインそっくりコンテストに出場し、スカウトされたメイ・クエステル。
1930年からベティシリーズ最終作まで、彼女がベティの声を演じ、定着しました。
もう一つ、フライシャー・スタジオの代表作である「ポパイ」のオリーブの声も担当しています。
日本語版吹き替えでは、まったりとした雰囲気の向井真理子さんでおなじみですが、私としては、キャッキャ声が可愛くキュートな、こおろぎさとみさんの声がイメージに合うのではないかと思います。

さらにベティシリーズでは、ベティがよく歌い、よく踊る、ジャズ好きにはたまらないミュージカル劇になっています。
特に、キャブ・キャロウェイが出演している「ベティの家出」、「ベティの白雪姫」、「ベティの山男退治」は、音楽のノリとダンスのリアルさ、シュールでカオスな展開に目を見張る、秀逸な名作です。

キャブ・キャロウェイとベティアニメの出会いは、音楽担当のルー・フライシャーが、採用する音楽を探しにハーレムへ出かけ、自身が歌い踊る、他のバンドリーダーとは違ったキャブに強いインスピレーションを受けた事に始まります。

キャブはスウィング全盛時代、アフリカ系アメリカ人のバンドとしては全米で最も人気を誇ったビッグバンドリーダー。
顧客は全て白人かセレブ、出演者は黒人と言うコットンクラブで、エネルギッシュなスキャット、派手なパフォーマンスによって人気を博し、MC役としても活躍をしていました。
足を踏み出しても前に進まないムーンウォークなど、キャブの踊りは後のマイケル・ジャクソンのパフォーマンスのルーツとも言われています。

さらに、クラシックの声楽を学んだキャブは素晴らしい声量の持ち主でもあり、ミニー・ザ・ムーチャーの中のコーラス、♪ハイ・デ・ホーという掛け声は、ハイディホー・マンという彼のあだ名にもなりました。
「ブルース・ブラザーズ」(1980)でもエンターテイナーぶりは健在、キャブ本人が、全身白の燕尾服に身を包み、往年のあやしいステップを踏み、出演しています。
また「You Rascal You」では、ルイ・アームストロングがゲストを務めるなども見逃せない所です。
ちなみにベティシリーズのテーマ曲を作曲したのは、パラマウント映画で音楽を担当していたジョニー・グリーンで、「Body And Soul」(身も心も)の作曲者としても知られています。

1932年の「Minnie The Moocher」(ベティの家出)は、キャブの代表曲がタイトルになっていて、実写の冒頭と、洞窟のセイウチによって、歌と踊りが披露されています。
花も枯れてしまう位、美味しいとは言えない食事のためか、食べるのを拒否したベティ、蓄音機に代わってしまう位、非人間的で古い小言を繰り返す父親から逃げ出したくて、ビンボと共に家出を決行、何やら気味の悪い洞窟へと迷い込んでしまいます。

幽霊達の宴を目の当たりにし恐怖しますが、セイウチのお化けが歌う、Minnie The Moocherは意味深な歌詞、家出娘の成れの果てとしてベティを諭しているのかも知れません。
冒頭にもある、両手をだらりと下げて歩き回るキャブの奇妙な踊りは、麻薬によってふらふらになってしまった体を表しているそうです。
そして恐怖が限界に達した所で、魑魅魍魎に追われながら、飛んで家に逃げ帰ります。
最後は「Home sweet home」、やっぱり家が一番ね、というオチで締めくくられ、ホッとさせられます。


「ベティの家出」Minnie The Moocher 1932




さあ、ヤク中ミニーの話をしよう
ミニーはどうしようもないアバズレ女
ガサツで気が強く、
まったくクジラみたいな強心臓の持ち主だった

ミニーはスモーキーという名の男と付き合っていた
彼女は彼を愛していたが、彼はジャンキーだった
彼はミニーをチャイナタウンへ連れ出し、
ヤクの打ち方を、手ずからご教授したってわけさ

ミニーはスウェーデン王の夢を見た
王は彼女に欲しいものをすべて与えた
金や鋼でできた家とか、
プラチナの車輪がついたダイアモンドの車とかね

実はスモーキーが薄汚いタウンハウスで、
ミニーにコカインを与えていたんだな
毎度の食事は麻薬のフルコース
ラリパッパーの彼女は5セント貨や10セント硬貨を100万ドルと思って、
10億回もくりかえし数えていたのさ
これが哀れなミニーの話さ



「ベティの白雪姫」 St. James Infirmary Blues 1933




みんな、僕はセント・ジェームス診療所にいくんだ
そこで僕の愛する人を見るだろう
白くて長い台に乗せられた彼女を
美しく、冷たく、そして清らかな

彼女を自由にしてあげて、神様、彼女に祝福を
どこにいる時でも
彼女は世界中を探し回るだろう
でも僕みたいな優しい男は見つかりはしない

僕が死んだらノンタックの半ズボンを履かせて
大きなヒダ入りのコートに、ステットンの帽子も
時計の鎖には、20ドル硬貨も
子供たちには勇敢な最期だったと伝えて欲しい

6人のバクチ打ちに棺を運ばせ
女の子のコーラスに、僕の歌を唄わせて
ホットなジャズバンドを、一番前に歩かせてね
皆が歩きながらハレルヤを聞けるように

みんな、これで僕の話はおしまいだよ
なあ、ウイスキーを一杯もらってもいいだろう
誰かが君に尋ねるだろうから
その時は、このセント・ジェームス診療所ブルースを聞かせてやって



「ベティの山男退治」 The Old Man of the Mountain 1933




白くて長い髭と怪しい目つき
足音ひとつで恐怖に陥れる
ギラリと目を光らせた山の大男のことさ

髪は長くて、いつも裸足で
グリズリーみたいに狂暴なんだ
ヤツに怖いものなどない ヤツに怖いものなどいない
山の大男のことさ

孤独な時はクマと話し、大空をテントに眠るんだ
お腹がすいたら、君を食べてしまう
少しの手間もかからないぞ

ナラの木ほど長生きで
僕たちみたいな愚か者が食料だ
おかげでいつも溜息ばかり
山の大男のことさ




飛びぬけて音楽が素晴らしいキャブ・キャロウェイとのコラボ作品をピックアップさせて頂きましたが、ブラックユーモア色が強く歌詞も暗すぎて、全く子供向けじゃありません。

フライシャー・スタジオは一時代、ディズニーとはライバル関係にありましたが、正統派とも言えるディズニー作品と比較すれば、革新的で独特のユーモアがある、シュールな作風でした。
例えば、「Swing Shift Cinderella」(夜勤のシンデレラ、または、狼とシンデレラ 1945)では、軍需工場の夜勤シフトで働いているシンデレラが、カボチャの馬車ではなく高級車で、プリンセスドレスではなく毛皮のコートといういで立ちで、お城ではなくナイトクラブへと向かい、セクシーなダンスを踊り、狼とドタバタ劇を繰り広げると言う内容。
大人の風刺に溢れるアニメは、ディズニーでは出せない味わいがあると思います。


そして、おどろおどろしいだけではない天真爛漫で無邪気なベティちゃんも沢山見られますので、探してみて下さいね。
「ベティの日本訪問」 A Language All My Own 1935 ベティちゃんが日本語で歌を唄います。
「ベティは裁判官」 Judge for a day 1935 激おこプンプン丸のベティちゃんが超可愛い。
「ベティ博士とハイド」Betty Boop M.D. 1932 カオス過ぎて最後はトラウマになるかも?などはお勧めです。



「I Wanna Be Loved By You」
「Stopping the Show」(花形ベティ)のワンシーンに、ヘレン・ケインの歌を当てはめた動画





「Ragamuffin Romeo」 つづれのロミオ 1930
度々記事にしているポール・ホワイトマン楽団の映画、「king of jazz」で歌っているジニー・ラングもベティちゃんそっくりなんですよ!









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